転職した

一ヶ月半ぐらい前に転職した。 それまではモバイル広告のベンチャー会社で働いてた。今度も広告配信系の仕事だ。

だいたい3~5年毎に転職するのが自分のパターンなのだが、今回は1年で転職してしまった。辞めた会社の人は日本語わかんないから、このへんのアメリカ的な考え方をレトロスペクティブを交えて書いてみる。

就職はビジネス

アメリカで仕事につくというのは雇用する側と雇用される側の取引だ。 プロフェッショナルな職業になればなるほどこの考え方が顕著になると思う。

取引はビジネスで、ビジネスはフェアでないと続かない。 自分に有利な取引をしようとウソを付いてもその場限りでしかない。 逆に相手に譲歩してもそれは不均衡な状況を作るだけで長続きできない。

だがフェアネスというのは待遇だけで決まるものではないと思う。辞めた会社は自宅勤務もオーケーで、ベンチャーということもあり給料は相場よりちょっと下がったがいろいろな面で待遇は悪くはなかった。俗に言うブラック企業でもなかったのだ。

キャリアは投資

ではなぜ辞めたかというと、自分の能力に見合う仕事をさせてくれずフェアな関係を続けようとしなかったからだ。

転職が当たり前のアメリカ社会で自分のキャリアを築くには経験値がなによりも物を言う。テクノロジーのキャリアでこの経験値向上の機会を取り上げられるというのは、確実な利子を生む投資を強制的に止めてしまうようなものだ。

利子分の損はもちろんだが、キャリアも複利で増える投資だ。3年間取り残されたら複利で3年以上の損になる。 さらに数年後にはもっと大きな差になる。それを取り戻すためには大変な努力が必要になる。

努力しないで取り残されるのは自業自得だが、強制的に取り残されるのはものすごく痛い事なのだ。

ビジネスはコミットメントだから

勤めもビジネスもすぐ放棄していいものではない。コミットした以上は手をつくして成功させるべきなのだ。 なので自分は問題点を早くから伝えていたが、会社側は対応どころか四半期ごとの面談もちゃんとできなかった。

もちろん会社にもそれなりの理由がある。派閥とかあり、ベンチャーなのにどっちかってば無能な中級管理職がやたらと多く、会社に一体感が無かった。そんな中でVP級の幹部は自分に「君の能力に見合った仕事をさせたい」と(おそらく本心で)何回も言ってくれたが、実際はどうしようもなかった、と言うのが現実だろう。

でもこういう会社に限って辞めようとするとカウンターオファーとかお金がポンと出てきたりする。長期はダメでも目先の事には対応しやすいからだ。続けるのがコミットメントなら昇給をもって続けるべきではないのか。

将来の自分へ

一時的にカウンターオファーが来ようとなんだろうと、長い目で自分のキャリアになにが良い事かを考えるべきだ。 もし会社が買収されたら億単位の資産になるオプションをくれるとかでもなければ、目の前のちょっとしたお金を選ぶのは絶対に損だ。

次に行くのが自分のためになると思うのだったらブレずに進むのが自分の将来へのコミットメントなのだ。

 

で、辞めると決めたら数日で決まった次の仕事、これが今のところかなり面白い。これはまたいつか。