チップは取引

数日前の新聞サイトに中国でサービスが激変している、ってのがあった。 無愛想で乱暴だった中国の飲食店のサービスが革命的に向上しているそうだ。

理由は幾つか挙げられてたけど、良いサービスで客が気分良ければそれはお金になる、ということが’中国社会に浸透しつつあるってことらしい。

アメリカではきちんと座って食事をするレストランと、サラダバーやビュッフェのような食堂スタイルの店では接客態度は違うのが当たり前だ。前者はウェイターが名乗ってにこやかに話しかけてくるが、後者は無愛想に事務的に食事を出してくる。

でもこれはこれで合理的だ。接客態度は雰囲気のうちだ。座って食事して楽しめるいい雰囲気を売るお店ではサーバーにチップを置く。カフェテリアやフードコートでは置かない。

アメリカ人はウェイターに注文の内容を細かく指定し、あれこれしてくれ、と頼んで食事と会話を楽しみ、接客に応じてチップを置いていく。そして対価があるからウェイター達は客の要望を聞きいれ、より楽しんでもらおうとする。

つまりサービスは対価のあるスキルで、客とは対等な取引、ビジネスをしてるのだ。

スキルが伴うビジネスなのだからデキの良し悪しはある。それを平等に扱うのは不公平だ。だからよりできる人、より努力する人にはより多い実入りがあるシステムになっている。実際アメリカできちんとサービス業やってる人たちは時給よりチップ収入の方がはるかに多い。

努力すれば見返りがある。見返りがあるなら努力しよう。中国でサービスの質が上がったのはそんな簡単な事に気づいただけじゃないのか。