Category Archives: もっぱら銀塩写真

Outside Looking In – With Leica

もし機械式フィルムカメラオタクが最小限のカメラとレンズを選べと言われたら。

悩むところだが、月並みにM6かM5+ズミクロン35だと思う。

レンズはもちろん神話の8枚玉だ .. なんて事は無い。正直なところそんな神話とかあまり気にしてもいない。何枚玉だか知らないけど自分のなじんだズミクロン35は見かけはくたびれているがしっかり写る。ちょっとへこんだフードをつければ完璧だ。

M5はダイアルの操作に慣れると一体感がある。同じ追針式のSL2もM5にははるかに及ばない。ただ携行性でM6には劣る気がする。自分としてはどっちでも良い。

人生要らないもの売っぱらってすっきりできたら、最後に残るカメラとレンズはこの辺だ。実際、ヨーロッパに出張で何回も行ったけど、M6+35でなんでも撮れた。

ただ、旅に出て35ミリレンズだけだと足りないと気づいた時もある。

それは日本へ行ったときの事だった。自分はあまり日本に住んだ事が無い。日本は知っているけどなじみが無い不思議なところなのだ。

よく知ってるんだけど初めて見る街と人並み、それに田舎の風景。既視感につつまれた新鮮さとでも言うのか。こんなに面白い世界を撮るには35ミリでは画角が足りない時がある。

そこでもう一台のボディに愛用のスーパーアンギュロンを付けて持って行く。 TRIX詰めて21ミリで撮るのに内蔵メーターはいらない。M3とかM4−Pに外部ファインダー、これが良い。

旅カメラ

ちょっとヤレてるがしゃっきりと写る21ミリには、角が欠けたフードが付く。

M3もダブルストロークだの初期型だのそういう神話はすっかり忘れた。シャッターとファインダーさえしっかりしていれば、ヤレててもかまわない。

M3でなくても廉価版M4−Pでも良い。角がテカりはじめるぐらいになじんでいるボディはなおさら良い。

フィルムカメラ2台もぶら下げて最小限も無いもんだが、最近の日本旅行はM6+35, M4-P+21を持って行った。 今までで一番良かった。

これからはこれが定番。

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フィルムの作り方

1958年のコダックフィルム製造プロモーション映像。

If you’ve ever wondered how film is made

コットンの塊からセルロースフィルムベースを作るところから始まる。 ゼラチン原料の牛も出て来る。ちょっとかわいそう。 銀のインゴットすっごい。 そしてBGMの音楽が泣かせるぜ。

ドイツ語なんで英語字幕を追わないとならないが、画だけでもけっこうわかる。 製造工程の手描きアニメも良い。

こうやってモノがどう作られるのかを題材にした映像は最近はとんと作られてないのではないか。カナダのテレビ番組でそういうのが一つあるだけだが、これはホントに面白い。カミさんもおもしろがって観てる。

昔はこうやって製造工程を見せるのがマーケティングの一環だった。安心感やブランドロイヤリティーに繋がるという考えだったのだろう。親戚や知り合いにでもいそうな堅実そうなオジサンがテキパキと作業していればブランドに親近感や安心感が湧いて当然だ。

それにしても自分たちの仕事に誇りを持ってなければ作れない映像だな。

そうそう、リンク先のFilm Winsはフィルム愛好家が最近立ち上げた。Flickr, YouTube, Twitterでも最近フィルムカメラ関連の動きが多い。

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冷蔵庫現像

昔ウィリアム・モーテンセンという写真家がいた。人物ライティングを定義した人とか言われてる以外はあまり知られてないようだ。実はモーテンセンは適正露出や現像法にこだわらず、写真を加工したりして、アンセル・アダムスなどの正統写真派に毛嫌いされてたという人物だ。

面白いのがモーテンセンの露出と現像の考え方だ。

例えば露出と現像それぞれをオーバー・適正・アンダーにした9枚の写真がある。(要スクロール)モーテンセンはこのうち3番と7番を残して全部却下してしまう。適正露出は却下。 正統適正写真の5番もつまんないから却下。これですでにカッコいい。自分もいっぺん言ってみたいぐらいカッコいい。

3番と7番は減感・増感現像として現代では一般的になっている。3番の減感現像は、影の階調を出しやすいけど、明るい部分がつまらなくなる。なのでモーテンセンのアプローチは、7番の増感現像から階調を拾いだすというやり方だった。

自分はTRIXをISO1600で撮った画が好きだ。だが影の部分がべったりとなりやすい。ウチの黒猫なんて黒潰れして、2次元ネコになってしまう。 ここしばらくなんとかこの2次元ネコ状態から発展しようといろいろとやっていた。

だが、この答えは70年も前に自由な発想を持つ写真家が出していた。 モーテンセンは増感撮影したネガから階調を引き出すために、なんと冷蔵庫で2、3日かけて静止現像していたのだ

もちろん現代のフィルムと現像剤でやっても大した結果は出ないかも知れない。だが枠にとらわれないやり方があるのだ。これはめちゃくちゃ面白い事だ。

乱暴な話だが今時撮影に正統もなにもないと思う。 きれいな適正写真が撮りたければデジカメを使えば良い。デジカメは実は画像加工の極致だが、誰かがプログラムした設定以上の事はできない。枠にとらわれていては代わり映えしない世界しかない。

フィルムを使うのは自分なりの理由がある。それが正統派なのだと思う。

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Discontinued but not really

FreeStyleに注文したフィルムとか届いたのだけど、中に在庫限りのディスコン品のチラシが入っていた。 インクジェットの紙とか8GBのCFメモリとかどうでもいいのに混じって気になる品が幾つかあるじゃないか。

Kodak Plus-Xはだいぶまえに販売終了だしTRIX 120フィルムは5本パックになるし、8×10も扱わなくなるって言うのは知ってたけどその他下記がディスコンになるのが気になる。

  • Kodak Ektachrome E100VS  120
  • Kodak TMAX100 100ft巻
  • Kodak TMAX400 120

この辺がディスコンなのは聞いてないよ。 なのでFreeStyleに問い合わせてみた。そしたらすぐ返事が来た。

  • Kodak E100VS 120は5本パックのみになる
  • TMAX400 120も5本パックのみになるけど、FreeStyleでばらして箱無しで一本ずつ帰るようにする。 (TRIX 120も同じ)
  • TMAX100 100ft巻きは無くなる。箱入り品のみ。

要するに中判フィルムは基本的に5本パックのみになる。 これは最近コダックからアナウンスがあった通りだ。でもこの店では売れ筋商品はばらして一本ずつで売る。 これはすでにアクロス120でやってるのでバラで買ってく人はけっこういるらしい。  バラで買うのって一本あたりの値段は5本パックより高くなるので不経済な気もするけどね。

TMAX100の100ft缶はコダックが売るのをやめるのかFreeStyleが扱いをやめるだけなのかいまいち定かでない。どっちにしろあまり売れなかったってことか。

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Years of Photographic Experimentation

モノクロ現像をどんどこ進めようといろいろやっている。

写真現像には一応それなりの目標がある。

  1. 自分のストーリー、と言えばカッコいいが、要は身のまわりを室内や夜でも写したい。それもストロボ炊かずに高感度で撮影、現像したい
  2. 数を打ってあてる(それしかない)ので、より多く現像したい

と、増感して撮りまくるので効率よくやりたい。欲を言えば出て来る写真は自分の好みにしたい。そういう訳でモノクロ現像液もいろいろ試してみた。

  • D76 -  原液、もしくは1:1に薄めてロータリープロセッサーで
  • Rodinal – 25:1をロータリーで。 50:1, 100:1 で静止現像
  • HC-110  -  希釈 B, H をロータリーで。静止現像もやってみた
  • Microdol-X – 標準をロータリー
  • Diafine – 説明通りに。 ロータリーもやってみた
  • XTOL  - 原液、1:1をロータリーで

フィルムは期限切れとか安いのがあれば使うけど、主にTRI-Xを1~3段増感して (ISO800-3200)現像する。いろいろと数十本ずつやり方を換えながらやっていて、気がついたら3年経ってた。

で、これだけやって究極の現像液と方法を見つけたか、というと、そんな事は全然なかった。メーカーが出しているデータをもとにいろいろ調整してればそこそこ現像できてしまうものなのだ。先に誰か教えてくれれば3年もやってなかったぞ。

でも、しいて言えばD76, HC-110, XTOLが好みで、それぞれ大体の傾向はわかるようになった。ロータリーでも静止現像でもそれなりにできる。あとはより多く現像できれば良い。

だが数をこなすとなると厄介な事がでてきた。水だ。使用量をできるだけ押さえないといけない。なぜならサンディエゴの水は温泉なみの硬水なのだ。水道で流して洗ったネガは乾燥すると干し昆布みたいに白い粉だらけになってしまう。

試行錯誤してたどり着いたのが、工程毎に純水と濾過した水道水を使うやり方だった。ちょっとしたこつはあるが、これでフィルムにはほとんど水跡が残らなくなる。

だが純水は買ってこないとならない。濾過水は作るのに手間と時間がかかる。水を使い放題と言う訳にいかないのだ。

幸いJoboの2500タンクはいっぺんに5本も現像できるのに液体は700ccしか使わない。現像一回につきせいぜい3、4リットルの水しかいらない。 静止現像は使う水の量が倍以上に増えてしまう。水の問題を考えたらJoboロータリプロセッサー方式が良い。

ところがロータリー現像の液量の少なさは問題にもなる。というのは現像液にはフィルム一本あたりの最低量というのがあり、希釈量によっては足りなくなるのだ。するとムラがでたり現像不足になってしまう。あちらを立てればこちらが立たずである。

いろいろと試したが、取り扱いの良さからHC-110を使ってロータリープロセッサーで増感現像する。そして時々静止現像や他の現像液をやってみる。というふうに落ち着きそうだ。

それにしても、こうやってフィルムや薬剤から選び、ファインダーのぞいてシャッター押して現像まで全部自分でやるのは楽しい。

へっぽこ写真のつぶれた黒や飛んだハイライトにしろ、一連のプロセスのどこかで自分が関わって起きるのだ。 良くても悪くても自分が「関わった」、というこの感触、これがたいへんよろしい。

画が同じカタで作られてでてくるデジタルには無い楽しさだ。

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コダックフィルムインタビュー

Film Photography Podcastといって、アメリカのフィルム愛好家のオッサンがやっているポッドキャストがある。最新版は最近のコダックのフィルム部門の人のインタビューだった。

コダックの中の人が喋りだすのは1:33ぐらいから。要点は

  • 過去2、3年に続きフィルムの使用人口は増えてる
  • プロ用フィルム使用量が増加。
  • 10月時点で昨年の売り上げを達成。残り2ヶ月半は増加分
  • 新ポートラはラチチュードが広くデジタルからフィルムに入る人におすすめ
  • Keith Canham (www.canhamcameras.com) 経由で大判フィルム販売

フィルムの出荷量が増えているというのは心強い。  Canham Camerasは小口の注文をまとめてコダックへ注文してくれるという共同購入スタイルで大判フィルムを売っている。 ここはサイトがチャッチイので、やってるのを確認できて良かった。

新ポートラ、実は撮ってみたけどまだ現像していない。 今は未現像フィルムの山をモノクロから減らそうとしているので、ちょっと先になりそう。残念。

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MOPA

昨日、久しぶりにサンディエゴの写真美術館に行ってきた。

子供が撮った写真展をやってて、デジタルばかりかでなくカラープリントもちらほらとあった。 えらいぞ、キミタチ。

アメリカは日本みたいに小学校、中学校、高校と違いがはっきりしていなくて、4年生、7年生、9年生といった学年で区別する。 9年生作品で、なんか背伸びしてるな、と感じるのもあれば、4年生でこんな視点を持ってるんだ、と感心するのもあった。

メインの展示はPrix Pictetに選ばれた写真家のリストからさらに絞った写真を展示していた。 高さ数メートルの超大型作品が幾つもあるし、すごい迫力だった。 また見に行ってこよう。

印象に残ったのはChris Jordanと言う人が撮った、ミッドウェー島のアホウドリの幼鳥の死骸の作品集だった。 アホウドリの幼鳥は海岸にいっぱい漂着するプラスチックゴミを食べて死んでしまうのだという。死んだ鳥は色とりどりのプラスチックでいっぱいだ、という写真で、いろいろ暗示的だ。

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