ステーキと自分

子供の頃オーストラリアのシドニーに住んでいた。父親に言わせると当時のシドニーは健全極まりない街で、夜になると全く店が開いていない。なので父は何かと言うと自宅にお客を連れて来てもてなしていた。

今思うと平日の夜にレストランが開いてないはずがないので、あれはただ自宅に人を呼びたかった親父の言い訳のように思う。

料理をする母親はそれなりに大変そうだったけど、普段から練習と称して子供の自分に手伝わせ、豪勢な料理を作ったりしていた。牛肉はもちろんのことラムやマトンやアバロニやロブスターとったいろんなすばらしい食材に触れる事ができた。

おそらくそういう子供時代の経験のおかげで大人になった今、美味しい肉料理を食べるのが楽しみの一つになった。特に牛肉の味には自分自身ちょっと驚くほどこだわりがある。

極端かもしれないが牛肉の本当のおいしさは赤身の味だと思う。なので自分の中のステーキはベトベトと脂ぎった肉ではないし、さらにソースやニンニクをドボドボかけたりするものでもない。塩胡椒だけのあくまでも赤身の味と食感で勝負なのだ。

ステーキ屋に行くのでも自分で焼くのでも、肉と向き合い、肉と同じくらい複雑な触感と味わいを持つ赤ワインを注いで一口ずつ味わいながら食べる。これは意外に手軽に味わえるちょっと他には無い楽しみなのだ。

To Do管理
筆記体の歴史感覚

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