万年筆に見る

万年筆を集めはじめた頃とりわけ興味があったのは日本にあまり無い1950年以前の欧米のビンテージ品だった。なので英語でネットの資料や掲示板を読んでいた。

大体わかってきた頃に今度は日本語でも万年筆全般に関する話題を検索して読むようになった。それで気がついたのだが万年筆に見る文化の違いが面白い。

例えばペリカンの万年筆に関して目にしたのが

  •  (日)EFニブの太さにばらつきがある。品質を上げて欲しいよね
  •  (米)ペリカンのEFってFとあんまり変わんないよね
  •  (日)ニブポイントが真ん中で割れてない個体があるよね
  •  (米)ニブポイントが真ん中で割れているかどうか考えたこと無いな
  • (日)縞軸にムラがあるものがある
  • (米)縞軸のムラってそういうデザインでしょ

と、物理的・視覚的なことにはアメリカやイギリスの人たちはそれほどこだわらない。かなりおおらかだ。

ところが書いた時のニブの硬軟、感触、インクのフロー、キャップ有り無しのバランス、持った時の感触やインクとの相性などの主観的な事になると米・英国人はやたらとこだわる人が多い。

万年筆好きな人たちがたくさん個人のブログでレビューを書き、自分はどう思うかということをYouTubeに動画で上げている。日本でそういう事している人はまずいない。

この違いは面白い。もちろんどっちが正しいとかではなく、同じものでも全く違う視点や考え方があるってことで、それを知るのは面白くて楽しいと思う。