アメリカのポンコツ医療保険システムを逆手に取って1千万円貯める方法

アメリカの医療保険はひどい。自己負担額は多いしなんでも保険適用外にされる。その割に保険料金は高い。

悪いことだらけのアメリカの医療保険制度だけど、自分で自己負担額を管理できれば税制優遇措置を利用して全く無税で貯金できるシステムがある。

アメリカに永住してる・したい人の参考に書いておく。

保険料のムダ払い

アメリカの医療保険には自己負担額がつきものだ。どんなにグレードの高い医療保険でもかならず自己負担があり、自己負担額をこえないと保険が適用されない。

だが考えてみると自分はアメリカで社会人になってからン十年間、自己負担限度額以上を医療で使ったことがほとんどない。

毎月保険料金を払って保険を使わないって考えてみればバカな話だ。医療保険は必要だけど、この保険料を減らす方法ってないのか。

高額自己負担医療保険(HDHP)

アメリカの医療保険は個人がプランを選べる。プランはいくつもあって目がまわるが、最終的には自己負担額の違いに落ち着く。自分で負担する額が高い保険は保険料が低くなるのだ。

なかでも自己負担額が家族で年2700ドル、約30万円をこえるプランをHigh Deductible Health Plan (HDHP, 高額自己負担医療保険)という。

HDHPの保険料は安くなる。選ぶプランにもよるが自分の場合は保険料が年に1500-2500ドル安くなる。

HDHPは自己負担分が多くなる。この自己負担分をあらかじめ健康貯金口座(HSA)に貯金するための税制優遇措置もついてくる。 この税制優遇措置がかなり強力なのだ。

HSAとは

HSA(健康貯金口座)には年に(2019年現在)一家族7000ドルまで医療費目的で貯金でき、この金額を課税収入から控除できる仕組みになっている。

例えばFederal, Stateと合わせて税率20%の家庭はHSAに7000ドル貯金すると1400ドル税金が減る。アメリカは累進課税だからこの税率は収入でかなり変わるし、州でも変わるけど、まぁ保険料の差額と税金控除合わせて毎年2500ドルが手元に残るとしよう。

健康な人はこの2500ドルで自己負担額をまかなってお釣りが来る。もし医療費がかさむ事があっても自己負担限度までの差額の数百ドルをHSAから引き出して使えば良い。

HSAとはそういう趣旨の貯金口座なのだけど、実は健康で医療費がかからない人には税制上さらに有利になる貯金方法でもある。

HSAの運用

医者にかかったらHSAに入れたお金を引き出して医療費の自己負担額を払うわけだが、HSAに貯金が残る。医者には年に一回健康診断に行くだけといった人はまるまる残る。

このHSA貯金は自分でどのように運用しても良いのだ。もちろん引き出す自己負担額で目減りするが、健康で自己負担額がほとんど無いことにして運用計算してみよう。

HSAはアメリカの投信で運用すれば年5-10%で増える。毎年7000ドルを10年間HSAに入金して平均6%の利回りがあれば10年目には92300ドル、つまり1千万円をこえる貯金になる。

こういった資産運用はアメリカでIRAや401Kなど積立年金をしてる人には目新しいことでは無い。でもIRAや401Kは年間に積立できる上限が決まっている。HSAを使えばさらなる非課税の貯金ができるわけだ。

HSAのトリプル税制優遇

HSAにはさらなる税制優遇措置がある。HSAで運用して増やした貯金は引き出して使うときに税金がかからない。401K/IRAなどの積立年金は入れるときか出すときに税金を取られる。ところがHSAは収入控除できて運用収益にも税金がかからず引き出し時も無税という全く税金がかからないシステムだ。HSAは税制上とても優遇されているのですよ。

もちろんHSAから引き出したお金は医療の自己負担分に使わないとならないのけど、実は65歳以降は何に使っても良い。

例えば40歳の人が65歳まで25年間、HSAに毎年7000ドル貯金して6%で運用すると円で3千万近くにもなる。貯金したお金は非課税だし65歳で一括でおろしてもいっさい税金がかからない。

以前はHSAは一部の金融機関しか扱っておらず、手続きや手数料の仕組みが煩雑でとてもとっつきにくかった。自分もフリーランスでコンサルタントみたいな事してたときHSAに貯金してたけどとてもめんどくさかった。

ところが最近FidelityがHSAを扱い始めた。これは便利だ。Fidelityは手数料が安いしウェブサイトも高機能で運用がとても楽だ。

というわけでFidelityでHSAはアメリカで個人ができる貯金としては今の所一番優れてるわけですよ。

まとめ

アメリカの医療保険は良いことあまり無いけど、HDHPとHSAのコンビネーションで貯金すれば財テクとしては最強レベルだと思う。

ただ自己負担額が低く適用範囲が広い(うらやましい)医療保険に入っていたり、出産とかまとまった医療費が見込まれる場合にはあまり魅力がないかも。

でもアメリカで自営業やフリーランスなど医療保険を個人で調達しないとならない人、また中小企業で悪条件の医療保険に入っている場合などは検討すべきシステムだと思う。

もっと知りたいという方はIRSのPublication 969を読んでください。全部説明されてます。

でもまぁなんだかんだ言ってもやっぱり健康でいるのが一番だよね。

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