金融不況

毎日ワタシはショッピング街の横を通るのだけど、このところ毎日交差点の角に立って閉店セールの呼び込みをしてるやつがいる。 金融不況のせいで、大手チェーンが相次ぎ倒産しているのだ。 次から次へと大型店が閉店セールをしている。 店は違うが呼び込みしているのは毎回同じやつなのだけど。

ワタシも家電量販店の閉店セールへいって来た。 売れないデジカメと売れない液晶テレビがずらっと並んでいた。 どうせもっと値崩れするだろう。 そう思って買い控えているのはワタシだけではないはずだ。 

去年アメリカではガソリン価格が高騰した。 大人気だった悪燃費の大型SUVは家計を圧迫するお荷物だと言うことにみんな気づいて自動車産業が落ちこんだ。 庶民はノせられて無理な借金して高騰した不動産を買っていた。 それがはじけ、アガリでうまいこと儲けていた金融企業は軒並みつぶれてしまった。 金融不安になり、株や不動産が暴落し、庶民の積み立て年金まで価値が激減した。

ようやく、踊らされて無駄金を使ってる場合じゃない!と消費者がわれに返って無駄づかいをやめた。 とたんにつぶれる企業がわっと出てきて、連日の閉店セールになった。 

ここでアリとキリギリスの警句めいた事を言うのは誰にでもできる。 でもこうやって大きな変化があり企業がつぶれたりした後にはまた新しい市場があり、新しい購買層があるのだ。 そこには新しいビジネスのチャンスがいくらでもある事を忘れてはいけない。 

アメリカの競争原理社会に淘汰はあって当然だ。 アメリカの世論は消費者についていけない米国自動車企業は淘汰されてもしょうがない、と割り切って考えているところがある。 アメリカ人はその次にくる未知の未来に希望を持てるからだ。 

つまるところアメリカの強さとはこの未来への信頼なんだよな。 と、満面の笑顔で閉店セールのサインを振ってるやつを見て思った。