撹拌しないぞ

モノクロのネガ現像をはじめて数年になるけど、現像を面倒に思う事がある。

なぜなら撹拌しないとならないからだ。 ネガと現像液をタンクに入れ、ずっと撹拌してやらないとならない。これが以外と大変だ。しかも自分は未現像フィルムをためてしまうのでやるときは大量の現像をこなさないとならない。 一度に5本現像できる大型タンクに水をいっぱい入れ、数秒毎に上下ひっくり返すのはけっこう大変だし、増感現像だとこれを15分近く続ける事になる。正直なところやってられない。

そこでJoboのロータリープロセッサーで手抜き現像するようになった。ロータリープロセッサーはモーターでタンクをゴロゴロ回してくれるので、とても楽だ。 しかも撹拌の強さが一定なので再現性がとても良い。 もうこれ以外やりたくない、と普通のステンレスタンクやリールは処分してしまった。

だけどこのぐるぐる現像にも問題がある。休みなく撹拌するので、コントラストが上がりがちなのだ。 しかも自分は普段からモノクロは増感撮影なので、それをロータリー現像するともうパキンパキンのコントラストになりがちだ。

それが自分の写真のルックスだぜ、とかストリート写真家をきどってみたりしたけど、正直なところちょっとつまらない。

そこで今度は静止現像をやりだしてみた。現像液を100分の1や200分の1に希釈し、1時間から2時間以上かけて現像するやり方だ。 Rodinalという大昔からある現像液がこれに向いているというのでやってみた。増感現像もなんなくできてしまう。コントラストはうまく押さえ気味で、TRI−XやT−MAXで粒子がいい感触の仕上がりになる。

それよりなによりタンクに入れて一分ぐらい撹拌したら後は置いとけば良い。温度も室温でいい。楽だし、置いとくだけだから再現性はこの上なく良い。そしてどのフィルムでも現像時間は同じだからいろんなのをいっぺんに現像できる。増感もEI800とEI1600で撮ったのを一緒に現像できる。 他の事しながらできるので、モノクロ静止現像かけてからロータリーでカラーフィルム現像したり、しぶしぶ暗室兼トイレの掃除とかしたり、と効率も良い。

それでしばらくRodinal静止現像ばかりだったのだけど、Rodinal静止現像はムラが出やすい。 途中でワインをグラスの中で回すようにしてみたり、とかいろいろやったけどムラが出るときは出る。

これは静止現像の宿命なのか、と半ば諦めてたのだけど、アンセル・アダムスがHC110で静止現像みたいなのをやっていた、というのを読んだので自分でもやってみた。 そしたらなんとムラが出ない。 コントラストはちょっと上がるが、粒子はRodinalより押さえ気味だ。 TRI-X 三段増感もそこそこきれいに仕上がる。Rodinal静止現像で粒子がどうしても気に入らなかったHP5+もけっこうイケる。

という事ですっかりHC110静止現像に乗り換えてしまった。 でもときおりRodinal静止現像の粒子感と階調も良かったなぁと思うこともある。

なので混ぜたらどうなるんだろう。と最近ちょっと真剣に考えてる。

Vivian Maierその後
Ruins

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