英語の母音、日本語は母音

英語の母音

英語の母音は10以上ある、というのをちょっと前に書いた。

英語発音のRは大切か

日本語のあいうえおに近い5種類以外は中間っぽい音だから曖昧母音と言うらしいけど、英語喋れる人にはぜんぜん曖昧ではない。

例えば bag という単語。ハンドバッグのバッグだ。 このaは「アとエの中間でアに近い」音だ。 日本語に無いし、日本語で理解しようとすると難しい。

だが英語圏の人ははっきりと一つの母音として認識している。だから日本語っぽい発音だと通じないし、「虫」という意味のbugに聞き間違えられる。笑い話になりかねない。

たった母音が一つしか無いbagでこれだ。 もっと長い単語なんかどうするんだ。

英語は母音で広がる

日本語からすれば曖昧で難しい英語母音だけど、マスターできれば英語の世界は広がる。 なぜなら英語の母音の発音は前後の子音でほぼ決まり、同じ発音パターンの単語が無数にある。 これがみな発音できるようになるからだ。

だからbagが言えればlag, tag, hagが言えるようになる。flagもtapもcapもbadもlandも言える。

さらにhagという単語、これは「ババア」という意味なので良い言葉ではないのだが、とにかくhagが言えれば「しつこく値引き交渉する」と言う意味の haggleが言えるようになる。もっと長い単語のハードルも低くなるわけだ。

 

発音はマッスル・メモリー

英語圏の人が日本語を喋ろうとするとまずいきあたるのも母音の問題だ。

聞いたことあると思うが、変なとこで伸ばす「わったぁしわぁ あめぇーりかぁ じぃんでぇすぅ」のあのパターン。 みんな悪気はないんだが、まずはあれを克服してもらわないと日本語もへったくれもない。

だが英語圏の人はなぜそうなるのか。 それは「日本語の音は母音で終わる」そして「日本語の母音は前後の子音で変わらない」ということについていけないからだ。

発音は無意識に口、顎、声帯の筋肉を使う。その組み合わせは生まれてから何億回と発音して自分に刻み込まれている。 発音するときに「舌を上顎につけて」なんて考えてない。体が覚えている。マッスル・メモリーなのだ。

だが違う動きは急にはできない。日本語圏の人も英語の「母音で終わらない音」「前後の子音で変わる母音の音」が最初からできなくて当然だ。

最初はもどかしくても小さなステップを自分に一つ一つ教えてやればいい。 bagがすらっといえるようになるのは簡単ではないかもしれないが、ものにしたマッスルメモリーは次のステップを簡単にしてくれるはずだ。