缶詰のみかん

缶詰のみかんって子供の頃大好きだった。あの皮が無いみかんの房のつるりとした食感、あれがとても良かった。

大人になって食べなくなったのは、缶詰って体に悪そうだしそもそも皮を剥くのに化学薬品使ってるんだろうし、という先入観だった。

実際に缶詰フルーツは砂糖多いし皮を溶かすために酸やアルカリを使うそうでそれは正しい選択だったけど、あのつるりとした皮なしみかんと離れ離れになったきりになってしまった。

ところが最近とんでもなく素晴らしい発見をした。安全にみかんの薄皮を無くす方法があるのだ。

果物の細胞膜にはペクチンが含まれている。ジャムを作る時に使うあのペクチンだ。ペクチンは細胞膜の強さやつながりを保つ働きがあって、果実は熟すにつれてペクチンを溶かす酵素、ペクチナーゼを生成して実を柔らかくするのだそうだ。

このペクチナーゼはジュースを作る時に絞りやすくするために使われるそうで、アメリカでは普通に手に入る。さっそく買ってみた。

皮を向いたみかんの房を水につけ、このペクチナーゼを数滴たらして一晩冷蔵庫の中に入れておく。するともろくなった薄皮が取れてくる。数回水洗いすればオールナチュラルな缶詰風みかんができる。

このみかんの食感に再開できたのはとっても嬉しい。知り合いに自宅に果樹園がある人がいて、有機栽培のミカンやオロブロンコをたくさんくれるのでこの冬はもうこのミカンでずっと過ごせる。