成果主義を英語で

成果主義って英語で何?

成果主義って英語でなんていうの? アメリカって成果主義なんでしょ? やることやってればあとは自由にしてても文句は言われない。いいよねぇ。

と日本の人たちは思うかもしれない。

アメリカで三十年働いてきた経験から言うとそれは誤解だ。 まともなアメリカ人のプロフェッショナルは 成果出せば何やってもいいなんて考えてない。日本語の「成果主義」に相当する意識はかえって希薄なように思える。

そもそもアメリカのプロフェッショナルたちは成果を出すという事をどう捉えてるのか。

なにが成果なのか

アメリカの会社で定期的に従業員を評価することをパフォーマンス・アプレイザル(レビュー)と言う。年に一回、前年に設定した目標への到達度が評価される。

この評価で95%の到達度だね、となって個人の成果になる。これに部門の到達度や会社全体の到達度が加算されて業績連動の賞与や昇給が決まる。

アメリカでは日本のようにボーナスが一般的ではない。だがプログラマー職でも一定レベル以上は業績連動のボーナスを払う会社が多い。設定した目標をクリアし、会社の業績がよければ年俸何%かのボーナスがもらえる。

これがアメリカの成果主義だ。

目標を決めるのは自分

目標は従業員が自分で決める。もっとも会社全体の目標があり、それに沿った部門の目標があり、さらに沿った自分の目標を決めないとならない。目標の難易度や評価判定の基準は上司と部下が合意の上で決めるのが普通だ。

部下の成果は上司の責任だから、できない目標をゴリ押しする上司は自分の評価に跳ね返ってくる。それ以前にデキる部下はそんな上司の下に長くはいない。そして上司は自分の目標との兼ね合いがあるから部下に易しい目標を設定させるわけにもいかない。

到達できるけどちょっと努力が必要だな、ぐらいのレベルに目標を設定しないとならない。これはこれでけっこう難しい。

評価面接はただの確認

人事評価だが、これは双方が結果を確認する場だ。それまでに定期的に面接して到達度は確認しておかないとならない。この面接はワン・オン・ワン(一対一)と呼ばれ、月一ぐらいの頻度だ。

到達度が足りないのを人事評価の面接時にはじめて伝える、というのはありえない。 それまでに伝わってないとならないわけだから、「評価が低い」と上司が文書にして出してきたら、クビにされるプロセスが始まっていると思っていい。 普通は部下もその時点ではわかっててすでに転職先を探しているはずだ。

 

自由にしていいのは成果主義か

アメリカで働いてきた経験から言うと、成果をだすのと自由にしていいっていうのはあまり関連が無いと思う。

自由にしている、というのは実は自分で自分の仕事を管理できる人に全部自己管理させているだけだ。そういう人は日中テニスとかサーフィン行っちゃったり、明日は仕事来れないからよろしく、とか一見実に自由にしている。 その代わり、24/7で自分を管理して仕事をどんどん進める。

はたから見れば楽してるように見えるかもしれないけど、そのレベルでそうやって人生も仕事もばりばりやってくというのは実は簡単にできることではない。

だからそういう人たちはそれなりの給料を貰える。そしてそういう人たちを惹きつける会社は、そういう人たちがやりたいようにできる環境になっている。